音の問題を抱える事の多い工場や工事現場などでは、近隣への騒音対策や作業者へ対しての職場環境の改善など、環境問題や安全対策に加えて積極的に取り組んでいく必要があります。音のトラブルを未然に防ぐ為にも、出来る限りの騒音対策に取り組むことが、企業として良い会社造りにもつながっていきます。
騒音問題に関する規制と法律
騒音の問題は、『環境基準』や『騒音規制法』などの国が定めるもあれば、自治体が定める条例などもあります。時代の流れとともに騒音を規制する内容も変化してきており、地域や時間帯の異なる分類をしていることもあり、細かく分かりづらいのが現実です。
騒音規制法とは
騒音規制法は、簡単に言うと国民の生活環境を保全して健康の保護をする事を目的とした法律です。「工場・事業場騒音の規制」「建設作業騒音の規制」「深夜騒音等の規制」などが、工場や機械などの騒音に係る内容のものが多いですが、他の分野でもいくつかあります。
騒音規制法第4条第1項の規定による規制基準
朝 | 昼間 | 夕 | 夜間 | ||
---|---|---|---|---|---|
時間帯 | 6時~8時 | 8時~18時 | 18時~21時 | 21時~6時 | |
第一種区域 | 45dB | 50dB | 45dB | 40dB | |
第二種区域 | 50dB | 55dB | 50dB | 45dB | |
第三種区域 | A | 55dB | 60dB | 55dB | 50dB |
B | 60dB | 65dB | 60dB | 55dB | |
第四種区域 | A | 60dB | 65dB | 60dB | 55dB |
B | 65dB | 70dB | 65dB | 60dB |
騒音規制法とは、凄まじい騒音を発生する作業機械などを設置する工場や事業所の施設が規制の対象となります。都道府県ごとに騒音についての規制する地域を指定するとともに、決められた基準の範囲内において時間及び区域ごとの騒音規制基準を定めております。
工場の騒音対策と労働環境の改善
騒音対策において、近隣に対して定められた基準をクリアするのは当然の事ですが、工場や事業所内で作業をされている作業員に対するの労働環境の整備も大切です。大きな音のする機械に囲まれて作業をするのは、難聴になるリスクは当然のことですが、心身ともに疲れたり障害が出るなどの深刻なケースもあります。
騒音の改善策の例
- 大きな音を発生する機器に防音カバーを被せる事で騒音を減らす。
- 機械自体に制振シートを貼ったり、床に防振材を敷き込む。
- パーテーションなどで、騒音が発生する場所を区画分ける。
- 工場内の壁面に吸音材を貼り、耳鳴りのする反響音を減らす。
「生活音」と「騒音」
人は生活していく中でさまざまな『音』を発しています。人間にとって不快な音は『騒音』として扱われます。人それぞれ感じ方に違いがありますが、近隣に普段の一般生活の中では聞くことの少ない音が大きく聞こえれば、それを大抵の人は『騒音』と感じます。
よく「騒音に慣れた」と聞きますが、人間の体はそんなに簡単に納得してくれません。 疲れの取れ具合や眠りの質は、全然違うのです。
騒音対策で効果のある防音材
防音材は、「吸音材・遮音材・防振材・制振材」の4種類に分類できます。騒音対策をする際の目的や発揮させる効果や性質の違いによって、選ぶ必要があります。
吸音材
吸音材とは、空気中に伝わる音波の振動を熱エネルギーに変換させる事で音を減衰させる素材の事で、室内の不快な反響音を軽減させたり、残響時間を調整するのに効果を発揮する、防音対策に欠かせない音を吸音する材料の事です。
遮音材
遮音材とは、空気中を伝搬する音波を遮る素材の事で、外部などへ音を透過さないように跳ね返す事で、遮音する材料の事です。面密度や質量のある物ほど性能が高く、どのような物でも遮音の目的に利用されれば遮音材料となります。
防振材・制振材
防振材とは、衝撃を吸収して振動を伝達しない様に抑止させる材料の事で、同じ様な性質を持った制振材とは、揺れを抑制して共振を減少させる材料の事です。どちらも振動を抑える目的で使用されるもので、「音と振動」という防音対策において大変重要な部分を改善します。
不燃素材で安心な防音材
工場や事業所内の仕上げ面は、消防上の観点からも不燃素材を好まれ採用されるケースが多く、コストパフォーマンスに大変優れたグラスウール製の『GCボード』は、多くの工場で使用されており大変人気です。
ガラスクロス額縁貼りグラスウール『GCボード』
ガラスクロス額縁貼りグラスウール【GC吸音ボード】とは、吸音に優れた密度のグラスウール吸音板にガラスクロス(ガラス繊維で編んだ布)を額縁貼り加工をした商品です。当社では厚手のガラスクロスをすべての商品に採用しており不燃素材である事に加えて、意匠性と耐久性に優れた内装仕上用の吸音ボードとしてご利用頂けます。
種類の豊富なグラスウール
グラスウールは不燃認定を認定されている、人にやさしく安全な吸音と断熱を兼ね備えたガラス繊維です。古くから建築資材として必需品と言って良いぐらいグラスウールは、防音対策や断熱材として数多くの実績を残して来た材料で、優れた吸音性能を発揮する防音材です。 不快な反響音を軽減し快適な音環境の構築に用いたり、断熱・遮音補強として壁面や天井内に充填して使用致します。
加工のしやすい難燃素材の吸音材
防音カバー内の吸音対策の為の内貼りに使用したり、クリーンルーム内でも使用可能な吸音材です。
ウレタンスポンジ吸音材の販売
ウレタンスポンジ吸音材は、反響音の防止や空間の音場調整材として録音スタジオや音楽教室などの音響および防音工事などで、幅広くご使用頂ける内装仕上用の吸音材です。スポンジ素材の為に扱いやすく、意匠性にも優れた加工形状を多数ご用意させて頂いており、大変人気がございます。目的や用途に合わせたウレタン吸音素材をお選び頂けます。
高い遮音性能と防振効果を発揮
20ミリ厚のかなり厚みと重量のある防音ゴムマットまでのご用意があり、工場の床や機械の足元に敷き込んで、不快な騒音を軽減させます。
防音マットZS(遮音マット・防音ゴムマット)の決定版
防音マットZSは床の防音対策などにおいて、高い遮音性能と優れた防振効果を最大限に発揮出来る様に研究開発された、防音ゴムマット及び遮音マットの決定版です。高品質なゴムを基材に厚さ20ミリのプロ仕様の防音マットから、遮音シートとしても使用しやすい厚みの薄手の商品まで、多用途にご利用可能な5種類をご用意しております。
防音ドアや吸音パーテーションなどの防音商品
防音対策の必要なお部屋や機械などを区画分けする時などに使用可能な防音商品をご用意しております。
防音ドア|高性能スチール製防音扉|
防音ドアの性能は、扉の遮音性と気密性の高さで決まってきます。確実な防音対策をお考えであれば、木製の防音ドアでは難しい高い遮音性能と高気密性を兼ね備えた、プロ仕様の高い防音性能を誇るスチール製の防音ドアを採用してみては如何でしょうか。音楽室やカラオケルームおよび録音スタジオなどでの多くの採用実績が証明する、安心で高品質な本格派スチール製防音ドアが音漏れを防ぎます。
吸音パーテーション | 反響音対策・音場調整
吸音パーテーションとは、防音対策や音響改善などを目的に考えられた効果の高い吸音材を使用して、音場調整(残響時間の調整)や音質改善の為に製品化された吸音間仕切りで、過度な反響音や音圧を減らし理想の音環境を実現します。多くの場面で使用する事が出来ますので、今まで悩まされていた様々な音のストレスを吸音パーテーションで改善する事が可能です。
機械の振動をコントロールする制振板と制振シート
機械自体の振動や防音カバーや壁面の共振を制御して遮音効果を高めます。
カルムーンシート | 制振材・制振シート
カルムーンシートは素材開発のパイオニアであるセキスイが開発した、高い振動吸収性能を発揮する貼り合わせタイプの制振遮音素材です。今までの遮音材料の常識を覆し、薄くて、しかも静かにさせたい面に部分的に貼るだけで遮音が可能です。 その秘密は振動を樹脂層で熱に変換する新発想の遮音メカニズム。壁や筐体(ケース)の振動エネルギーをカルムーンシートが吸収し、熱エネルギーとして発散。エネルギーの変換という今までにない着眼点で全く新しい遮音材を開発しました。
制振シート【音ピタン】デッドニングにも最適!
制振シート『音ピタン』は、振動エネルギーを吸収する事で、音や振動の伝わりを大幅に減少させる制振材です。問題の原因となる金属や樹脂面などの振動している部分に貼り付ける事で、発生する「ビビリ音」や「うねり音」を熱エネルギーに変換させて、嫌な騒音を大幅に低減させます。
多くの現場や機器に使用されている防振材
防振対策において、古くから多くの実績があり、機械の衝撃音や防音室自体の防振にも効果を発揮します。
波型防振ゴムマット
波型防振ゴムマットとは、 表面と裏面のそれぞれに向きを変えて凹凸の加工をした防振対策に特化した波型に加工されたゴムパットです。 カッターナイフ等で必要なサイズに切断が可能で、様々な場面で使用しやすい高品質な防振ゴムマットとなっております。
遮音する為の防音シート
工場の騒音対策を目的とする壁面や天井の防音下地材として、広い用途で遮音効果を発揮します。